メインコンテンツへ移動

無駄遣いに関する家計調査

2023年の値上げラッシュは9割近くの家計に影響。
一方、約76%の家庭では月平均17,678円の無駄遣いをしていることが判明。

ソニー損保では、全国の20代〜60代で持ち家かつ2022年から現在まで家計管理に携わっている800名を対象に、家計における無駄遣いに関して調査を実施しました。

調査の結果、2023年の値上げラッシュが9割近くの家計に影響を与えている一方、7割以上の人が「無駄遣いをしている」と回答しました。さらに無駄遣いの金額は、全国平均で17,678円であることが判明。値上げラッシュの影響で支出が増加してもなお、無駄な出費があることが本調査によって明らかとなりました。

ソニー損保が調査した、今年“卒業”したい無駄遣いに関するインフォグラフィックです。全国平均の無駄遣い月額は17,678円です。調査対象の無駄遣いトップ5は、1位が飲食費で55.1%、2位が衣料品で26.7%、3位が嗜好品で20.7%、4位が娯楽費で18.4%、5位が電化製品と家具等と年会費でそれぞれ11.3%です。さらに、火災保険の見直しを行っていない人は88.3%であることが示されています。

2023年の値上げ品目は3万品目以上、過去30年間で最大の値上げを記録

帝国データバンクの調査(※)によると、主要な食品メーカー195社における、家庭用を中心とした飲食料品の値上げは、2023年は3万2,396品目となり、前年の2022年の2万5,768品目を25.7%上回る結果となりました。1年間で3万品目を超える水準は、バブル崩壊以降の過去30年間でも例を見ないほどの「記録的な値上げラッシュ」となりました。原材料価格の上昇のほか、電気代やガス代などエネルギー価格の上昇、包装・資材費、物流費の上昇が原因として挙げられます。

月別値上げ品目数 推移(24ヶ月推移・12月29日時点)
2022年6月から2024年5月までの月別値上げ品目数の推移を示すグラフです。2022年6月から2023年12月までの期間に値上げされた品目数が月ごとに示されており、2022年10月は7,864品目で最も多く、2023年10月は4,758品目です。年別では、2022年は2万5,768品目、2023年は3万2,396品目が値上げされました。2024年は5月までで3,891品目が値上げされています。各年の値上げ率は、2022年が14%、2023年が15%、2024年は5月までで17%です。注釈として、調査時点の食品上場105社のほか、全国展開を行う非上場食品90社を含めた主要195社の2022-24年価格改定計画(実施済みを含む)に基づく数値であることが記されています。また、品目数には再値上げなど重複を含むことが記載されています。

ソニー損保では、3月の卒業シーズンに合わせて、2024年に“卒業したい無駄遣い”や家計の状況について調査を行いました。

調査概要

名称
ソニー損保 無駄遣いに関する家計調査
調査対象者
持ち家で火災保険に加入しているかつ2022年から現在まで家計管理に携わっている人
サンプル数
全国の20代〜60代の男女800名
調査方法
インターネット調査
調査期間
2024年2月20日〜2月22日
  • 構成比は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計しても必ずしも100にならない場合があります。

1.2023年の値上げラッシュの影響で9割近くの家計に影響があり、そのうち大多数の家庭で支出が増加。一方で“無駄遣い”をしている人は全国で約76%。

2023年は値上げ品目が3万2,396品目と、2022年の2万5,768品目よりも大きく上回る結果となり、記録的な値上げラッシュとなった1年でした。値上げラッシュで、9割近く(87.9%)の人が家計への影響があったと回答しました。家計への影響があった人のうち、大多数の人(94.0%)が2022年と比較すると支出が増加したことが判明しました。

値上げラッシュによる支出が増加した一方、支出の中で無駄遣いだったものがあると回答した人は7割以上(76.3%)いることが今回の調査で明らかになりました。無駄遣いをしている人が多数を占める結果となり、家計の支出を見直す余地がまだあることがうかがえます。

Q.過去最も値上げ品目が多かった2023年、各種値上げはあなたの家計への影響はありましたか。(SA, n=800)
円グラフは『2023年の値上げが家計に影響を与えたか』という質問に対する回答結果を示しています。『とても影響があった』が38.6%、『影響があった』が49.3%、『どちらでもない』が9.6%、『影響がなかった』が1.8%、『全く影響がなかった』が0.8%です。
Q.家計における支出のうち、無駄遣いだったと感じることはありますか。(SA, n=800)
円グラフは『家計支出の中で無駄遣いだと感じることがあるか』という質問に対する回答結果を示しています。『よくある』が17.4%、『たまにある』が58.9%、『あまりない』が21.8%、『全くない』が2.0%です。

2.1ヵ月あたりの無駄遣い額の全国平均は17,678円という結果に。

無駄遣いをしていると回答した人のうち、1ヶ月あたりの無駄遣い額は、全国平均で17,678円という結果に。エリア別でみると、無駄遣い額が最も多いエリアは九州エリアの21,917円であることが判明し、次いで四国エリアの21,121円、北陸エリアの21,037円ということがわかりました。ランキング上位のエリアをみると、西日本側が無駄遣い額が多い傾向にあるといえます。

一方で、最も無駄遣い額が少ないエリアは甲信越エリアの12,672円と、1位と約1万円近く差があることが明らかになりました。

<全国エリア別問題遣い額ランキング> ※n=「無駄遣いをしている」と回答した人を対象
全国エリア別無駄遣い額ランキングを示すインフォグラフィックです。n=『無駄遣いをしている』と回答した人を対象 1位は九州エリア(n=60)で21,917円、2位は四国エリア(n=62)で21,121円、3位は北陸エリア(n=59)で21,037円、4位は関東エリア(n=63)で20,405円、5位は中国エリア(n=66)で20,061円です。6位以下は、6位が北海道エリア(n=57)で15,861円、7位が東海エリア(n=57)で14,914円、8位が近畿エリア(n=62)で14,589円、9位が東北エリア(n=63)で13,921円、10位が甲信越エリア(n=61)で12,672円です。

3.卒業したい無駄遣いとして、5割以上の人が「飲食費」と回答。次いで「衣類・ファッションアイテムの購入」、「嗜好品」と変動費が上位を占める結果に。

今年卒業したい無駄遣いを聞いたところ、唯一過半数を超えたのが「飲食費(55.1%)」という結果となり、「衣類・ファッションアイテムの購入(26.7%)」「嗜好品の購入(20.7%)」「娯楽費(18.4%)」と変動費が上位を占める結果となりました。

その他、「生活必需品でない電化製品や家電の購入(11.3%) 」、「まだ使える家具や家庭用品の買い替え(11.3%) 」、「利用していないサービスの年会費や年間パスの購入費など(11.3%) 」がランクインしました。

<卒業したい無駄遣いランキング(MA,n=610)>
卒業したい無駄遣いランキング(MA, n=610)を示すインフォグラフィックです。1位は飲食費(外食やコンビニでの飲食、フードデリバリーなど)で55.1%、2位は衣類・ファッションアイテムの購入で26.7%、3位は嗜好品(お酒・タバコ)の購入で20.7%、4位は娯楽費(映画館、ゲーム、趣味にかかる費用など)で18.4%です。5位には生活必需品でない電化製品や家電の購入と、まだ使える家具や家庭用品の買い替え、利用していないサービスの年会費や年間パスの購入費などが、それぞれ11.3%でランクインしています。8位は高額なレストランやカフェでの飲食で11.0%、9位は交通費(タクシー代や車のガソリン代)で10.3%、10位は利用頻度の低いサブスクリプションの利用費で10.0%です。

4.無駄遣いをしてしまう理由として半数以上が「安いとつい買ってしまうから」と回答。

無駄遣いをしてしまう理由として最も多いのは「安いとつい買ってしまうから(56.2%)」となりました。その他の理由として、「ストレスや不安の解消になるから(35.7%)」、「欲望や衝動を抑えられないから(28.7%)」、「計画性がない、よく考えて購入しないから( 25.9 %)」、「無駄遣いと認識していないから(12.6%)」という結果となり、自己抑制ができないことが無駄遣いの主な原因であることがうかがえます。

Q.無駄遣いをしてしまう理由として、当てはまるものをすべて選択してください。(MA, n=610)
無駄遣いをしてしまう理由に関する調査結果を示すインフォグラフィックです(MA, n=610)。1位は『安いとつい買ってしまうから』で56.2%、2位は『ストレスや不安の解消になるから』で35.7%、3位は『欲望や衝動を抑えられないから』で28.7%、4位は『計画性がない、よく考えて購入しないから』で25.9%、5位は『無駄遣いと認識していないから』で12.6%です。

5.家計を節約するために行ったことで最も多いのは「外食を控えて内食を増やす」で、回答した人が約6割。一方、「火災保険の見直し」は9割近くの人が行っていないことが判明。

近年の値上げラッシュをうけ、家計を節約するために行ったことで最も多いのは「外食を控えて内食(自炊)を増やす(59.1%)」という結果となりました。卒業したい無駄遣いでは「飲食費(外食やコンビニでの飲食、フードデリバリーなど)」が1位となっており、外食を控えることで家計の負担を軽減しようとする動きが一層際立ちます。次いで「日用品の節約(58.0%)」、「食料品の節約(52.1%)」となりました。日用品・食料品は値上品目数が多かったことから、このような結果に繋がったことが推察されます。

一方で「火災保険の見直し」は9割近く(88.3%)の人が行っていないことが判明。さらに、約7割(74.6%)の人が、2024年度を目処に火災保険が値上げを予定していることを知らないと回答しています。家計に余裕を持たせたい、節約をしたい人は火災保険の契約内容を見直してみてはいかがでしょうか。

近年の値上げラッシュをうけて、家計を節約するために行った対策(各項目n=800)
近年の値上げラッシュを受けて家計を節約するために行った対策を示すグラフ
Q.2024年度を目処に火災保険が値上がりすることを知っていましたか。(SA, n=800)
2024年度を目処に火災保険が値上がりすることを知っていたかの調査結果を示す円グラフ。

ファイナンシャルプランナー馬場 愛梨さんによる解説

近年はあらゆる商品の値上げが続き、「家計が苦しくなった」と感じている人も多いのではないでしょうか。今回の調査では「値上げの影響を受けている」「節約などの努力はしている」一方で、「無駄遣いをやめられない」という、一見矛盾のある、きわめて人間味のある結果が明らかになりました。では、無駄遣いを抑えて、うまく家計をやりくりするにはどうすればよいのか考えてみましょう。

「無駄遣い予算」を決めてしまおう

無駄遣いゼロにするのは難しいことです。最初から高いハードルを設定すると挫折しやすくなってしまいます。いっそ「無駄遣いしてもOK」と割り切って、「ただし月に○円まで」と予算を決めるのも1つの方法です。

普段自分の支出を把握していない人や家計簿をつけていない人でも、「無駄遣いしたな」と思ったときに手帳などにメモして、あとから振り返れるようにしておけば充分です。まずは、自分が1ヶ月(1週間)にどれくらい無駄遣いしているのか、ざっくりと把握するところから始めてみてはいかがでしょうか。しばらく続けていると、「自分はこういうときに無駄遣いしやすいな」という傾向が見えてきて、気を付けやすくなります。

過度な節約は禁物

節約するなら、ひたすら全てを我慢するのではなく、お金を使うところと使わないところをはっきりと区別してメリハリをつけるのがおすすめです。「これだけは譲れない」「○○にはお金をいくら使ってもいい」というポイントが1つ決まっていれば、それ以外の何かが安く売られていても、惑わされずに済むでしょう。

適度な節約を心がけたい一方で、いきすぎると大きなストレスに繋がることもあるので注意が必要です。一生懸命「支出を抑えよう」と数円単位の細かい節約をいくつも実践していても、そのことがストレスになって衝動買いに走ってしまっては意味がありません。

ストレスなく出費を抑えるには

ストレスなく出費を抑える方法として、前述の「メリハリをつける」以外でおすすめなのが「固定費の見直し」です。固定費とは、毎月一定額を継続して支払っていくタイプの出費のことです。たとえば、家賃や住宅ローン返済などの住居費、スマホ代やインターネット代などの通信費、保険料やサブスクリプションサービス(サブスク)の利用料金などが挙げられます。

食費、交際費、趣味代など固定費ではないもの(=変動費)の場合、節約しようと思うと、日々お金を使うたびに意識することになります。しかも節約した分、生活の質が下がることも多く、ストレスを感じる人も少なくありません。

しかし固定費は、一度見直しておけば、普段は意識しなくても節約効果がずっと続きます。しかも、契約内容を確認して不要なオプションを省いたり、あまり利用していないサブスクを解約したりしたからといって、生活の質が極端に下がることはないでしょう。さらに、何にいくら使ったのか、通帳やクレジットカードの明細などを見ればほぼ確実に把握できる点もメリットです。

固定費の見直しをやってみよう

今回の調査によれば、固定費よりも変動費の節約に力を入れる人が多いようです。固定費の見直しは一定の知識が必要になったり手間がかかったりするため、意識しやすく手軽に節約できる変動費ばかりに目がいきがちです。ただ、まだ固定費を見直していない人は、一度じっくりと時間を取って、節約できる余地がないか確認してみるのがおすすめです。

たとえば、保険料を抑えたいと思ったら、保険証券などで現在の契約状況をチェックしてみましょう。「契約時から時間が経って状況が変わったのに、契約内容はそのままになっている」「よくわからない特約(オプション)がついている」といったケースも少なくありません。不要な分を外せば、保険料が安くなります。

特に火災保険は、2024年度を目途に値上がりする可能性があるため、節約をしたい人は火災保険の契約内容を見直してみてはいかがでしょうか。わからないことがあれば、保険会社のコールセンターなどに問い合わせてみましょう。

馬場愛梨
監修:馬場愛梨ばばえりFP事務所 代表
関西学院大学商学部を卒業後、銀行の窓口業務に従事。その後、保険代理店や不動産業界などでも経験を積み、独立。自身が過去に金銭的に苦労したことから、難しいと思われて避けられがち、でも大切なお金の話を、ゆるくほぐしてお伝えするべく活動中。お金にまつわる解説記事の執筆や監修を数多く手掛けている。

利用条件

本記事内の図/文章とも自由に転載いただくことが可能ですが、下記の利用条件をすべて満たす場合に限ります。なお、当社がふさわしくないと判断した場合は、掲載の中止を求めることがあります。

  1. 情報の出典として「ソニー損害保険株式会社」の名前を明記してください。
  2. ウェブサイトで使用する場合は、出典として、本レポートへのリンクを設置してください。
    https://www.sonysonpo.co.jp/fire/rsc_012.html

報道関係者からのお問合せ先

ソニー損保PR事務局(株式会社スキュー内)

TEL
03-6438-9808
MAIL
sonysonpo-pr@skewinc.co.jp